患者さまにとって最良の治療とは。
2018.01.23
院長の原田光佑です。治療コラムの最初の投稿として私の治療への考え方について記載いたします。
私の治療のコンセプトは、世界基準で医学的根拠に基づいた治療方法の中から患者さまにもっとも適した治療を、患者さまと一緒に決めて治療を進めていくことです。
そもそも、日本の歯科医師は、自動車免許のような更新の必要がありません。つまり、極端なことを記しますと、歯科医師国家試験に合格し歯科医師免許を取得すれば、それ以降まったく知識をアップデートしなくても、歯科医師として一生診療することは可能です。
しかし、それでは患者さまにより良い治療を提供する事ができるでしょうか。
歯科医療は日々進歩しております。むし歯や歯周病などのすべての歯科の病気とその治療法は、世界中の歯科大学などの専門機関と、専門の学会により、常に検証され学術論文や学会発表により公表されています。以前から用いられている治療の場合なら、長期的な臨床結果からその治療の確実性や問題点が判明します。実際に、以前は主流だった治療法や考え方が、現在では多角的に検証された結果、否定されていることもしばしばあります。また、新しい治療や材料についても、従来のものと客観的な比較が行われその優位性の有無について検証されます。
私は、American Academy of Fixed Prosthodontics(http://www.fixedprosthodontics.org/)のアクティブメンバーであります。この学会は、米国のいくつかある補綴系の学会の中でももっとも権威と歴史のある学会の一つで、日本人の歯科医師は10名程度しかメンバーになっていない学会です(比較として日本口腔インプラント学会の会員数は15,000人以上)。年次総会では日本では知ることのできない世界最先端の治療の発表や、日本では聞く機会がほとんどない世界的に著名な歯科医師の先生方の講演を直接聞くことができます。また、メンバー同士で交流することで自分の歯科医師として視野も広がります。私は、このAmerican Academy of Fixed Prosthodonticsを通して世界最先端の医学情報や世界基準の医学的根拠や技術を学ぶことができ、日々患者さまに提供する治療に反映しています。
ただし、最新の治療が必ずしも患者さまにとって最良の治療というわけではなく、また古い治療が必ずしも悪い治療というわけでもありません。
患者さまにとって最良の治療を提供するためには、確実な診断のもと最新の治療から従来の治療までの医学的な根拠を知識として知っていることが重要であり、またその知識をもとに治療として提供するための技術も必要です。その上で、患者さまにもっとも適した治療を一緒に進めていくことが最良の治療と考えております。